n-3DPA
~ラビリンチュラが可能とした
希少ω3脂肪酸の生産~
京都大学との共同研究により、希少なω3脂肪酸であるn-3DPAの生産技術を開発しました。
n-3DPAとは
7Z,10Z,13Z,16Z,19Z-ドコサペンタエン酸(n-3DPA、図1)は、その健康維持効果により注目を集めるDHAやEPAと同じω3脂肪酸の仲間です。母乳にも含まれDHAやEPAに劣らない生理作用を持つ事が示唆されている(引用文献1)ものの、天然からの供給源が限られる為に本格的な用途開発は進んでいない状況です。
図1. 7Z,10Z,13Z,16Z,19Z-Docosamentaenoate(n-3DPA含有脂質)
ラビリンチュラ類であるAurantiochytrium limacinumはDHAの一次生産者であり、食物連鎖によって魚類に蓄積されたDHAは古くから利用されてきました。近年ではこの微生物を培養して得られるオーランチオキトリウム油の食品利用が進んでいますが、一般的な株はn-3DPAをほとんど作りません。NAGASEグループの保有する株は、培養条件によってn-3DPA成分含有脂質を蓄積するという他の同種株には見られないユニークな性質を有する事が見出されました(図2、引用文献2)。
図2. Aurantiochytrium limacinumの作る脂肪酸比率
NAGASEグループのラビリンチュラ株によるn-3DPA生産
現在n-3DPAの唯一のリソースはタテゴトアザラシの皮下脂肪であり、n-3DPA含有率は約4%です(図3、引用文献3)。しかし欧米では商業的なアザラシ猟は段階的に制限されてきており、将来的には微生物発酵による供給が主流になると考えられます。
NAGASE株はn-3DPA約20%に加えDHAも豊富に含む常温で液体の微生物油を生産可能であり、新しいn-3DPA源として極めて有望です。
図3. アザラシ油との脂肪酸比率比較
引用文献
1. Prostag. Leukotr. Ess. 1996, 54(5), 319.
2. 特許第6938163号、特許第7262536号
3. J. Am. Oil Chem. Soc. 2002, 79(11), 1095.
社会実装を目指して
ナガセバイオイノベーションセンターではn-3DPA含有組成物および製造に関する特許を取得しており、ライセンスインを希望される共同開発パートナーとの連携を希望しています。n-3DPAの高生産及び機能性に関心のあるパートナーとの連携を通じ、この希少な有用成分の実用化とサステナブル社会への貢献を目指します。
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