当社出資先 Atomis の科学顧問 北川教授がノーベル化学賞を受賞
October 14 2025
このたび、長瀬産業株式会社が 2021 年から出資する 株式会社 Atomis(アトミス) の科学顧問である京都大学高等研究院 特別教授 北川進 氏 が、2025 年 10 月 8 日にノーベル化学賞を受賞されました。
北川教授は、PCP/MOF(多孔性金属錯体・多孔性配位高分子/金属有機構造体) 分野の世界的パイオニアであり、学術界における理論的深化および産業応用拡大に大きく貢献されてきました。本受賞は、その長年にわたる先導的な研究の成果が国内外で高く評価されたものです。
長瀬産業株式会社は北川教授が科学顧問を務める株式会社Atomis(本社:兵庫県神戸市、代表取締役CEO:浅利 大介、以下「Atomis社」)に多孔性配位高分子(PCP/MOF)の機能による顧客製品の高付加価値化と工場などで排出される CO2 の分離回収に向けた技術開発を目的とし2021年より出資をしております。
■ 多孔性金属錯体/金属有機構造体とは
MOF(Metal-Organic Framwork)、PCP (Porous Coordination Polymer)とも呼ばれます。金属と有機配位子が規則性を持って連続的に三次元構造を形成することで、ナノレベルで制御された細孔を作り上げます。PCP/MOFはそのようなバラつきの小さい細孔を数多く有する物質の総称です。ガス貯蔵・分離、環境改善、エネルギー分野など、持続可能な社会の実現への貢献が期待されています。
■ 多孔性金属錯体/金属有機構造体とは
MOFは活性炭やゼオライトと同じ多孔質体です。活性炭とゼオライトとの違いについては以下の図を参照ください。
■ 省エネ・省スペース CO2回収装置(MOF-PSA)
Atomis、パートナー企業、長瀬産業の三社でCO2分離回収装置を開発しております。現状は、ラボでの基礎開発を終え10月中旬以降にパートナー企業社にて実証実験を行う予定です。この新装置はAtomisが開発した多孔性金属錯体/金属有機構造体を吸着剤として使用することで、水蒸気を含む状態でもCO2を選択的に吸収できることが特徴です。これにより、従来必要だった除湿工程を省略できることで、装置コストや運用コストを削減が可能となり、結果、顧客に省エネ・省スペースという価値を顧客に提供できます。 また、当社はグループ会社のナガセテクノエンジニアリングとともに顧客評価用の小型のCO2回収試験装置を2026年度から導入開始します。これにより、排ガスの傾向が異なる工場における本システムの適用性を簡易的に検証することができます。
■ 多孔性金属錯体関連の製品取り扱い
長瀬産業では、多孔性金属錯体/金属有機構造体関連の製品・サービスについても以下の通り展開しています。
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■ 株式会社Atomis(アトミス)の概要
- 代表取締役:浅利 大介
- 設立:2015年2月10日
- 所在地:兵庫県神戸市
- 事業内容:
・PCP/MOFなどの次世代多孔性材料の設計評価、製造販売
・次世代ガス容器CubiTan®を基軸としたガス流通システムの提供
・分散型カーボンリサイクル(CO₂変換回収)システムの提供
今後も当社は革新的な素材である多孔性金属錯体/金属有機構造体のメーカーであるAtomisと長瀬産業が有するネットワークを活用し、サステナブルな未来のために、社会課題を解決していく活動を促進していきます。
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